集合・論理をマスターして模試の偏差値を6上げよう!(Part 1) 〜任意と存在〜(第38回)
今までは"勉強法"や"メンタル管理"
についての記事が多かったのですが、
今回からは数学の単元について、
具体的に扱っていきます。
そこで、今回は"命題の否定"を扱います。
(人を否定することは、自分も否定されること)
なぜ最初にこれを説明するのか?
模試で間違えた時の原因で非常に多いのが
この"集合と論理"の分野で、中でも
命題と証明は高校数学全体の基礎
になっているからです。
ここさえマスターすれば
記述のクオリティが大幅に上がりますし、
裏を返せばここが完璧でないと
非常にもったいないミスをします。
今回の内容 ↓
1. 任意命題と、その否定について
2. 存在命題と、その否定について
1. まずは任意命題について知りましょう
任意命題はこんな形をしています ↓
全てのAはBである
この"全ての"を数学では"任意の"
と言っているから任意命題といいます。
例を挙げましょう ↓
P:全てのカラスは黒い
Aにカラスを、Bに黒いを当てはめられる
ので、この命題Pは任意命題です。
命題ですので、否定を考えられます。
命題Pの否定命題はどうなるでしょうか?
全てのカラスは黒くない
では、ありません。
命題Pと否定命題〜Pを考えるとき、
必ずどちらかが成立しています。
これは、数学の規則ですので、
ゼッタイに、勝手に変えてはいけません。
今回は否定命題〜Pをこうすると、
黒いカラスも白いカラスもいる
場合に、Pも〜Pも成立しません。
なので、否定命題〜Pは、
1羽でも黒くないカラスがいる
となります。
白でも青でも紫でもいいんです。
黒くないカラスは1羽いればいいんです。
これを、次に説明する存在命題を使うと、
黒くないカラスが存在する
と、言い換えられます。
2. 次は存在命題について知りましょう
存在命題はこんな形をしています ↓
あるA'はB'である
この"ある"は文字通り、何か1つB'である
ようなA'が存在していることを意味します。
なので存在命題と呼ばれています。
これも例を挙げましょう ↓
Q:100m9秒台で走れる人がいる
これは
ある人は100m9秒台である
と言い変えられます。そして
A'に人、B'に100m9秒台で走れる
を当てはめて、存在命題になります。
これの否定命題〜Qはどうなるでしょうか?
100m9秒台で走れない人が全員なので
100m9秒台で走れる人がいない
ですね。
実はこれ、任意命題を使って言い換えられます。
どの人も100m9秒台で走れないので
任意の人は100m9秒台で走れない
となります。
1.と2.をまとめましょう ↓
任意命題P:任意のAはBである
の否定〜P:あるAはBではない
存在命題Q:あるA'はB'である
の否定〜Q:任意のA'はB'でない
と、なります。
否定命題にすると、
任意と存在が入れ替わるんですね。
特に任意命題の否定を証明したいときに
例外(反例)を1個でも見つければいい
ということは絶対に理解してください。
最後に問題をやりましょう!
・P:どの人も髪が黒い
・Q:1限に遅刻した生徒がいる
それぞれの否定命題を考えましょう!
ご覧いただき、ありがとうございました。
次回(第39回):集合・論理をマスターして
模試の偏差値を6上げよう! 〜背理法と待遇〜
〜あなたにバラ色のキャンパスライフを〜