集合・論理をマスターして模試の偏差値を6上げよう!(Part 2) 〜背理法と待遇〜 (第39回)
今回は証明でよく混同する人がいる、
背理法と待遇の説明をします。
特に、まだ習ったばかりの1年生は
本当によく間違えて
模試で半分くらい点を引かれます。
もう二度と間違えないように、
ここで仕組みを理解しましょう!
まずは背理法とは何か ↓
・ある事柄が成り立たないと仮定して、
証明を進めること。
設問で与えられた条件をPとしたときに、
証明したい事柄をQを示します。
Pは「使える条件」ですから、
Pを仮定してQを導けば、証明は終わります。
P⇒Qを示せばいいんですね。
そこで、Qを示す代わりに、〜Q(Qの否定)
を仮定(Pと合わせるとP∧〜Qを仮定)して、
矛盾を導く問題にすり替えるのが背理法です。
なぜ、これが成り立つか
命題P⇒Qの否定
〜(P⇒Q)がP∧〜Qと同値
だからです。
次に、待遇とは何か ↓
命題P⇒Qに対して、命題〜Q⇒〜P
のことです。そして、性質として
元の命題と待遇命題の真偽は一致します。
命題P⇒Qを示したいときに
背理法を使っても待遇を使っても、
両方〜Qを仮定するのには変わりない
から、混ざりやすいんです。
違いは、
背理法のゴール:矛盾を導く
背理法の仮定:〜QとP
待遇のゴール:〜Pを示す
待遇の仮定:〜Qのみ
具体的にはこんな感じです ↓
賢いなら模試で偏差値60以上
と言いたいとします。
この場合、
P:賢い、Q:偏差値60以上
なので背理法や待遇はこうなります ↓
背理法:P∧〜Qを仮定、つまり、
賢くて偏差値60未満の人がいる
と仮定して矛盾を導く。
待遇は〜Qを仮定して〜Pを導くので、
偏差値60未満なら賢くない
と言えればいい。
(どっちも言えない気がしますけどね笑)
「"賢い"の意味なんて人によって違うから
真偽がはっきりしないコレは
命題じゃないだろ」
とか言わないでくださいね。
難しい問題は、
コレに任意と存在が絡んできます。
実は今回の例でも絡んでいます。
背理法の仮定ではこっそり
「ナントカな人がいる」
と、仮定が存在命題になっています。
今回は背理法と待遇の違いを
しっかり理解してほしいので
この話はまた回を分けてします。
前回の回答 ↓
P:どの人も髪が黒い
Q:1限に遅刻した生徒がいる
の否定はそれぞれ
〜P:髪が黒くない人がいる
〜Q:どの生徒も1限に間に合った
となります。
〜Q:1限に遅刻した生徒がいない
としても良いですが、あまりのそのまま
なので"どの生徒も1限に間に合った"
としてください。
こういう例を1つ覚えておけば
困ったときに否定命題を
作れるようになります!
次回(第40回):集合・論理をマスターして
模試の偏差値を6上げよう! (Part 3) 〜循環論法の罠に注意〜
〜あなたにバラ色のキャンパスライフを〜