逆関数の存在条件を理解しよう!(Part 1) 〜関数の数学的な定義〜(第28回)
最近お話した高校生が、
こんな発言をしていました。
・数学は本質から学んだほうがいい (高2)
・写像って何ですか?(高3)
私も本質から学ぶ方が応用が利いて良い
と思います。しかし、
中には本質を躱すほうが理解しやすい
ような題材もあります。
今回お伝えする写像の定義も、
難しいから高校では教えないこと
の一つです。
なので、今回の内容は難しいです。
しかし、
・高校生の知識で理解できて、
・逆関数を理解できる
ので、この記事を書くことに決めました。
その前に、覚えておいてほしいこと!
・関数は写像の一種
ことがある
それでは、写像にレッツらゴー ♪
以下の対応を見てください ↓
・アメリカ → ワシントン
・日本 → 東京
・イギリス → ロンドン
・中国 → 北京
・フランス → ???
???に当てはまる言葉は何でしょう?
そう、パリですね。
左の国の首都が右側に書かれています。
これは、国の集合()から
都市の集合()への対応
となっていますね。
対応のルール()は、
国を決めたらその首都を対応
させています。
このように、
集合から集合への対応のルールで
一定の規則(後述)を満たすもの
を写像と呼んでいます。
そして、この対応で、
行く前の集合(上の例だと)を始域
行き先の集合(上の例だと)を終域
と呼んでいます。
始域や終域を"数"に限定した写像が
中学や高校で出てくる関数です。
じゃあ
集合から集合への対応なら写像になる?
というかと言うと、それは違います。
こんな風に、始域に
行き先が一つに定まらない要素が一つでもある
場合は、写像とは呼びません ↓
・0 → 0
・1 → ±1 (アウト)
・2 → 2
・3 → 3
また、始域に
行き先がないような要素が一つでもある
場合も、写像とは呼びません ↓
・0 → 0
・1 → (アウト)
・2 → 2
・3 → 3
このような場合を、
単に対応や関係と呼びます。
つまり、写像とは
1. 集合から集合への対応で、
2. 始域のどの要素に対しても
終域の要素(行き先)が
ちょうど1つ対応する
こんな対応のことです。
そして、写像に対して、
逆の対応(逆対応)が写像になるとき、
その対応を逆写像と呼び、
と表します。
数IIIで、逆関数が存在しない場合は
その関数の逆対応が写像にならない場合です。
逆関数が存在しない関数って?
例えば、
実数から実数への関数です。
この場合、例えば
の値4に対して、の値は ±2
と、2つ対応するので写像にはなりません。
じゃあ実数全体から実数全体への関数 ↓
は逆関数を持つのか考えてみよう!
次回(第29回):逆関数の存在条件を理解しよう!(Part 2)
〜関数の数学的な定義〜
〜あなたにバラ色のキャンパスライフを〜